ウィーン・マイドリング駅にて
目次
- 概要
- 運用
- 特等席 (business)
- 1等席 (first)
- 2等席 (economy)
- レストラン
- 車内設備
- 車外設備
概要
形式 |
Viaggio Comfort型客車 |
製造 |
Alstom |
運用会社 |
オーストリア国鉄 |
製造年 |
2008年 |
最高速度 |
230 km/h |
製造数 |
67編成
|
定員 |
404席、442席
|
オーストリア国鉄が、欧州鉄道網の要衝である地の利を生かし、ECなど従来の国際優等列車よりも所要時間を短縮し、車内サービスを大幅に向上した新しい国際優等列車として開発された列車です。
現在は、オーストリア、ドイツ、スイス、ハンガリー、チェコ、イタリアで運行されています。
ÖBB、CDが保有する専用編成は、最後尾をプッシュプル運転用制御客車とした7両編成のSiemens製Viaggio Comfort形客車で、営業最高速度は230km/hです。
同社製のEurosprinter機関車(1116型機関車、1216型機関車)を牽引機に指定しており、ディーゼル機関車による運用も可能です。
1216型の運用は、チェコへの乗り入れと機に開始されました。
固定編成の概念を導入し、客車と機関車で統一したデザインが採用され、電車のように編成の前後で同じスタイルに見えるよう考慮されています。
そのため端部に来る制御客車は、機関車と共通性を持たせた前面形状となっています。
この制御客車に設けられた運転室から遠隔操作することで、機関車が客車を押す形で走行する「ペンデルツーク」方式を可能としました。
進行方向が変わる場合でも機関車を付け替える必要がなく、折返し時間の短縮に貢献しています。
また、重連運転(8両編成×2本)にも対応しています。
▲ ウイーン近郊にて
▲ インスブルック中央駅にて
▲ ウイーン空港にて
▲ ICEと並ぶRailjet
▲ ウイーン中央駅にて
▲ ミュンヘン中央駅にて
▲ 機関車
▲ グラーツ行き Railjet
▲ プラハ行き Railjet
▲ チェコ国内を走行する Railjet
運用
下記はRailjetの路線図です。
ウイーンを拠点に、ドイツのミュンヘン、イラリアのベネチア、スイスのチューリッヒ、チェコのプラハ、
ハンガリーのブダペストを結んでいます。
区間 |
所要時間 |
運賃 (2等席) |
運賃 (1等席) |
ウイーン - リンツ |
1時間15分 |
EUR 35.00 |
EUR 60.00 |
ウイーン - ザルツブルグ |
2時間20分 |
EUR 50.00 |
EUR 90.00 |
ウイーン - インスブルック |
5時間50分 |
EUR 70.00 |
EUR 120.00 |
ウイーン - グラーツ |
2時間30分 |
EUR 40.00 |
EUR 70.00 |
ウイーン - ヴィラッハ |
4時間20分 |
EUR 60.00 |
EUR 100.00 |
ウイーン - ミュンヘン |
4時間10分 |
EUR 100.00 |
EUR 170.00 |
ウイーン - チューリッヒ |
8時間 |
EUR 120.00 |
EUR 210.00 |
ウイーン - プラハ |
4時間 |
EUR 65.00 |
EUR 100.00 |
ウイーン - ブダペスト |
2時間40分 |
EUR 40.00 |
EUR 60.00 |
新幹線 : Railjet
オーストリア国鉄の看板列車
チケット、路線、時間、乗車方法
特等席 (business)
オープンサロンとドアのないコンパートメントを組み合わせた、セミコンパートメントタイプです。
客車側の先頭車の半室に設けられています。
座席には独立したヘッドレストやレッグレストを持った大型の電動リクライニングシートが備わり、
コンパートメント部分では向かい合う相手と足が当たらないよう、枕木方向に半分ずつオフセットして配置されています。
▲ 特等席
▲ 1人席
▲ 2人席
1~4人向けの座席が設置されています。
同様の座席がイタリア国鉄のETR500型にも設置されています。
▲ 1人席
▲ 特等席 (CD車両)
▲ 2人席
▲ 読書灯
1等席 (first)
オープンサロンの1+2列配置です。
各座席は独立しており、シートピッチに余裕があります。
座席の向きは変えることができません。
客車部分の先頭車の半室とその隣の車両の計1両半が1等席となっています。
▲ 1等席
▲ 4人席
▲ 2人席
車椅子スペースも設けられています。
各座席にはテーブル、コンセント、読書灯、ゴミ箱が設置されています。
▲ 車椅子スペース
▲ テーブル
半室の部分はQuiet roomで通話や会話は禁止されています。
このエリアは、枕カバーの色を2等席と同じく緑色としています。
▲ 1等席
▲ 4人席
▲ テーブル・足置き
2等席 (economy)
オープンサロンのみで、2+2列配置です。
座席の向きは変えることができません。
新型車両なので、各席にコンセントが設置されています。
ボックス席では、通路側までテーブルが設置されています。
ただし、前後の座席間隔が非常に狭く感じます。
▲ 2等席
▲ 4人席
▲ 2人席
枕カバーが青色の車両はFamily zoneで、
主に家族向けにオススメの車両です。
この車両では私語等を自由に楽しむことができます。
▲ 2等席 (Family zone)
▲ 4人席
▲ Family zone
枕カバーが緑色の車両はQuiet zoneです。
この車両では私語等が禁止されています。
▲ 4人席
▲ 2等席 (Quiet zone)
チェコ国鉄 (CD)所有の車両では、座席モケットがオーストリア国鉄(ÖBB)と異なるものが使用されています。
モケット以外の違いはありません。
なお、Family zoneやQuiet zoneの設置はありません。
▲ 2等席
▲ 4人席
▲ 2等席
レストラン
1等席と2等席の間の車両には、レストランが設けられています。
どなたでもご利用でき、軽食や飲み物を購入することができます。
写真は終点に到着間近なので未営業の状態です。
ただし、座席数が少ないので、基本的に各座席で軽食やドリンクを楽しむことを想定しています。
▲ レストラン
▲ レストラン
車内設備
車内には多数のLCDモニターが設置されています。
走行速度、停車駅、到着時刻、列車番号、号車番号等を確認することができます。
▲ 車内案内板
▲ 車内案内板
▲ 車椅子スペース
Business席を利用する方向けの雑誌コーナーも整備されています。
2等席には自転車置き場も設置されています。
大型の荷物置き場も設置されています。
▲ 雑誌
▲ 自転車置き場
▲ 荷物置き場
各席の上には、予約区間を案内するディスプレーが設置されています。
区間が表示されていない場合は空席です。
写真の場合はリンツ - ヴェルス間で予約されている方がいます。
各編成の最も機関車側の車両には、子供スペースが設けられています。
このエリアでは子供向けの映画が上映されています。
読書灯はLED式です。
▲ 予約区間案内板
▲ 子供スペース
▲ 読書灯
デッキと客室の間の扉には、各エリアのクラスが表示されています。
写真の場合は奥がfirstクラスです。
残念ながら、運転席後部からの前面展望を楽しむことはできません。
扉は自動では開きません。扉付近の扉開閉ボタンを押してください。
▲ First
▲ 運転席後部
▲ 扉開閉ボタン
▲ ドア
▲ デッキ
▲ ベビーカー置き場
下記の車両はCDの車両の様子です。
特に大きな違いはありませんが、
自転車置き場がÖBB車両と比べて少なくなっています。
▲ 荷物置き場 (CD)
▲ 読書灯 (CD)
▲ 子供スペース (CD)
▲ 自転車置き場 (CD)
▲ 補助席
車外設備
需要に対応するために、連結運転が頻繁に実施されています。
チューリッヒ・ミュンヘン方面の列車は、大半が2編成の連結運転です。
ただ、片方の編成は途中のザルツブルクやインスブルック行きで、途中で切り離しされます。
車両の側面には車外案内板が設置され、行き先、停車駅、列車番号、号車番号等を確認できます。
▲ 連結部
▲ 車外案内板
▲ 連結部
各車両には、座席のクラスが書かれています。
乗車の際には段差があります。
▲ business
▲ first
▲ economy
▲ restaurant
▲ 乗車口
▲ railjet
▲ Quiet zone
▲ 車外案内板 (CD)
CDとÖBBの車両同士の連結運転も可能となっています。
CDの車両の塗装は、ÖBBのものをベースにCDのコーポレートカラーである青色基調となっています。
▲ 連結部 (CD)
▲ CD
▲ business (CD)
▲ railjet (CD)
▲ first (CD)
▲ economy (CD)
▲ 乗車口
▲ パンタグラフ