リヨン駅で発車を待つ TGV
目次
形式 | Duplex型 |
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製造 | Alstom |
運用会社 | フランス国鉄 |
製造年 | 1995年 |
最高速度 | 320 km/h |
電気方式 |
DC : 1500V AC : 25kV 50Hz |
車両 | M+8R+M |
編成長 | 200,190mm |
車両幅 | 2,904m |
製造数 | 89編成 |
乗車定員 | 510席 |
TGV初の2階建て客車で、3番目に新しい車両です。
導入経緯
パリ - リヨンはフランスで最も混雑する路線で、1981年開業後すぐに輸送力の限界を迎えました。
対処法として、運行間隔を3分未満にすることも考えられましたが、
信号システムの更新やブレーキ性能の向上などが求められたので延期されました。
また、2編成の連結運転は、ホームの延伸が必要になるという課題があり延期されました。
車体幅の拡大も考えられましたが、地上設備の対応工事の費用がかかりすぎるとして却下されました。
そして、最終的に既存の鉄道の設備などを更新する必要のない2階建て客車が採用されました。
2階建てとすることで、座席数はTGV Réseauより45%増やすことに成功しています。
車両は1987-1988年に試験車両が製造され、試験が実施されています。
なお、設計には在来線で使用されている2階建て車両を基にしています。
内装はTGV Sud Est 1編成を使用して、座席を整備することで確認が行われています。
1991年にAlstom, GECと契約が結ばれ、1994年に第1編成が登場しました。
登場時はTGV 2Nと呼ばれました。
そして、高速新線Sud-Est線で最高速度 290 km/hを記録しました。
なお、登場時の機関車はTGV Réseauのもので、Duplexの機関車は1995年に登場しています。
TGV Duplexの機関車は、TGV Sud Estに比べて重量出力比、重量座席比、出力座席比が向上しています。
これは、アルミニウム構体で押し出し型材を使用することでアルミ使用量を20%削減していることが大きな要因です。
先頭形状は既存車両よりもさらに流線型とし、機関車と客車の連結部の空気抵抗も考慮することで、
2階建て車両ながら、300 km/h走行時の空気抵抗が1階建て車両のTGVよりわずか4%高いだけ済みました。
機関車の冷却ファンは、屋根上に設置することで駅停車時の騒音を削減しています。
2007年に鉄道車両の世界最高速度 574.2km/hのギネス記録を保有しています。
旧式のレイアウトを採用するTGV Duplexも、順次のちに登場するEuroduplex型のものと同様の内装に変更されている。
Réseau Duplex : 車両番号600番台 (601-619)
Duplexの機関車がTGV POSに転用するされることから、残りの客車とTGV Reseauの機関車を連結することで誕生しました。
なお、Reaseu機関車には2階建て客車と連結にあたり、空気抵抗を抑える工事が実施されています。
なお、TGV POS向けの転用された機関車は、ドイツとスイスに乗り入れるための改造工事が実施されました。
Eurotrain
1997年に台湾新幹線向けの高速車両としてSiemensとGEC-Alstomによって製造されました。
TGVの車両が車両番号224、ICEの機関車は402型の車両番号42,46が用いられました。
試験走行はドイツのハノーファー-ヴュルツブルクの高速新線で実施され、最高速度316 km/hを記録しました。
※下記の写真全てがDuplex型というわけではありません。
写真一覧
パリを拠点にフランス各都市を結びます。 パリにはターミナル駅が7駅あり、その内TGVが発着する駅は4駅です。 方面別に駅が分けられています。
区間 | 所要時間 | 運賃 |
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パリ - リヨン | 2時間 | EUR 100.00 |
パリ - マルセイユ | 3時間20分 | EUR 110.00 |
パリ - ニース | 5時間40分 | EUR 120.00 |
パリ - レンヌ | 2時間 | EUR 75.00 |
パリ - ボルドー | 3時間15分 | EUR 90.00 |
パリ - ストラスブール | 1時間45分 | EUR 100.00 |
パリ - リール | 1時間 | EUR 60.00 |
フランスの新幹線 : TGV
パリとフランス各都市を高速で結ぶ
チケット、路線、時間、乗車方法
8両の客車のうち、3両が1等席です。 2階部分で車両間の通り抜けが可能です。 1+2列で、座席は2階が薄いグレーのモケットに赤のヘッドカバー、1階が濃いグレーに赤のヘッドカバーを採用しています。 座席の向きは固定式です。 座席のリクライニングは電動式です。 窓側席にコンセントが設けられています。 機関車に隣接する1等車の1階部分に、車椅子スペースがあります。 2階建て客車ということもあり、座席上の荷物置き場が非常に狭いです。 なので、車両のいたるところに荷物置き場が設けられています。 車椅子スペースは、後に登場するEuroduplex型とは異なる構造をしています。
写真一覧
8両の客車のうち、4両が2等席です。 2階部分で車両間の通り抜けが可能です。 2+2列で、グレー色モケットの座席です。 座席の向きは固定式です。 座席のリクライニング機能やコンセントの設置はありません。
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車内案内板は設置されていません。 停車駅や現在位置は車掌のアナウンスや駅名標で確認してください。 1等席3両と2等席4両の間はBARとなっており、どなたでもご利用いただけます。 座席までの宅配サービスはなく、基本的にテイクアウトです。 簡易座席やテーブルも設けられているので、景色を楽しむことができます。 2階建て客車なので、座席上の荷物置き場が狭く、スーツケースは置けません。 なので、車両の至るところに荷物置き場が設置されています。 各席には向きを調節できる読書灯、フットレスト、ミニゴミ箱が設置されています。 なお、デッキ部には大型のゴミ箱も設置されています。 読書灯のすぐ横に座席番号が記載されています。
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登場時はホーム長の関係から2編成の連結運転は実施されていませんでしたが、 整備完了により現在は半数のTGVで連結運転が実施されています。 連結運転時は、前後の車両で行き先が異なる場合がほとんどで、 車両間の移動もできないので注意が必要です。 車外案内板が設置され、列車番号、号車、出発駅、停車駅、目的地などを確認できます。 この車両案内板は日光があたるとほとんど見えないため、 最新型のEuroduplexではLED式に変更されています。
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2階建て車両なので、車両高さは高いです。 2階部分で車両間は通り抜けできるので、扉の位置は低めに設置されています。 これにより、フランスの低いホームからでも段差なく乗降できます。 BAR車両の1階部分は電源スペースです。 ドリンクや食材、荷物などは2階部分の扉からフォークリフトで運ばれます。
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