▲ ローマ近郊にて
目次
- 概要
- 運用
- EXECUTIVE
- BUSINESS
- PREMIUM
- STANDARD
- BISTRO
- 車内設備
- 車外設備
概要
形式 |
FRECCIAROSSA 1000型 |
製造 |
Bombardier, Ansald Breda (Hitachi Rail Italy) |
運用会社 |
イタリア国鉄 |
製造年 |
2013年 |
最高速度 |
300 km/h (将来は400 km/h) |
加速度 |
0.7 m/s² |
減速度 |
1.2 m/s² |
電気方式 |
DC : 3000V (1500V)
AC : 25kV 50Hz (15kV 16.7Hz)
|
車両 |
Bo'Bo'+2'2'+Bo'Bo'+2'2'+2'2'+Bo'Bo'+2'2'+Bo'Bo'
|
編成重量 |
446 t
|
編成長 |
202,000mm
|
車両高 |
4,080mm
|
車両幅 |
2,924mm
|
製造数 |
50編成
|
乗車定員 |
457席
|
ETR1000, ETR400とも呼ばれ、イタリアのドル箱路線であるトリノ - ミラノ - フィレンツェ - ローマ - ナポリを高速で結ぶ新幹線 Frecciarossa (赤い矢)の運用に就いています。将来的にはETR500型を置き換える予定です。
そして、最高速度 360 km/h (将来的に400 km/h)の運行を予定しています。
入札
入札には、Alstom社、Bombardier社とAnsald Breda社のコンソーシアム、Siemens社と川崎重工のコンソーシアムの3チームが参加し、
技術面、価格面からBombardier社とAnsald Breda社のコンソーシアムが受注しました。
Ansald Brede社はのちにHitachiに買収されており、一部編成はHitachi製ロゴが設置されています。
製造
Bombardier社の高速車両 ZefiroとAnsald Brede社のV250の技術を基に設計されました。
製造の分担はBombardier社が40%、Ansald Brede社が60%で、Bertone社によってデザインされています。
ETR500型はイタリア国内の運行しか想定していませんでしたが、
Freccirossa 1000は将来的にスイス、ドイツ、オーストリア、フランス、スペイン、ベルギー、オランダに乗り入れることを想定しています。
そのため、動力分散方式を採用しています。
車体構体はアルミ製で、押出型材によるダブルスキン構造です。
先頭部にはクラッシャブルゾーンが設けられており、側面窓は固定式のものが2120 mm間隔で設置されています。
先頭形状はZefiroシリーズと非常に似ており、先頭下部から前面窓ガラス左右を経て屋根まで至るCross-Wind Edgeと呼ばれる高速走行時の空気整流用のエッジを設けて走行時の騒音低減対策としています。
前面窓は1枚曲面ガラスで、その下部中央と前頭部左右にLED式の前照灯および尾灯が設置されています。
車内ではWi-Fi設備が設置されており、どなたでもご利用いただけます。
2013年に登場し、2014年に試運転を開始、2015年に最高速度 300 km/hの走行認可を受け6月より運行を開始しました。
将来は360 km/hの高速運転を想定しているので、試験走行が夜間い行われ、11月の試験で385.5 km/h、
12月に390.7 km/h、16年2月に393.8 km/hを達成しています。
▲ フィレンツェ近郊にて
▲ ナポリ中央駅
▲ フィレンツェ近郊にて
▲ ボローニャ中央駅
▲ 10周年記念
▲ ミラノ近郊を走行する FRECCIAROSSA
▲ ミラノ近郊
▲ ローマ テルミ二駅
▲ ミラノ中央駅
▲ Italoと並ぶ FRECCIAROSSA
▲ 並ぶ FRECCIAROSSA
▲ ナポリ行き FRECCIAROSSA
運用
FRECCIAROSSA 1000は基本的にトリノ - ミラノ - フィレンツェ - ローマ - ナポリの路線に投入されています。
そのほかの路線はETR 500型で運行される場合がほとんどです。
区間 |
所要時間 |
運賃 |
トリノ - ミラノ |
1時間 |
EUR 30.00 |
トリノ - フィレンツェ |
3時間 |
EUR 70.00 |
トリノ - ローマ |
4時間20分 |
EUR 100.00 |
トリノ - ナポリ |
5時間40分 |
EUR 110.00 |
ミラノ - フィレンツェ |
1時間40分 |
EUR 50.00 |
ミラノ - ローマ |
3時間20分 |
EUR 90.00 |
ミラノ - ナポリ |
4時間40分 |
EUR 100.00 |
フィレンツェ - ローマ |
1時間40分 |
EUR 50.00 |
フィレンツェ - ナポリ |
3時間 |
EUR 80.00 |
ローマ - ナポリ |
1時間10分 |
EUR 50.00 |
新幹線 : FRECCIAROSSA
ローマ - ミラノを高速で結ぶ
チケット、路線、時間、乗車方法
EXECUTIVE
座席数は10席、座席幅は74cm、シートピッチは1m50cmで、
先頭車両の1号車がEXECUTIVEとなっています。
座席は1+1列配置で、非常にゆったりとしています。
ヨーロッパでは珍しく座席の向きを変えることができます。
この車両にはEXECUTIVE利用者向けの会議室もあり、
インターネットにつなぐことでテレビ会議もできるようになっています。
座席ではウェルカムドリンクや食事が提供されます。
日本でいう新幹線のGran Classと似たようなサービスを提供しています。
EXECUTIVE利用者は列車発車までFRECCIACLUBを利用できます。
▲ EXECUTIVE
▲ 読書灯点灯時
▲ リクライニング時
▲ 会議室
BUSINESS
座席幅は69cm、シートピッチは1mです。
EXEUTIVEに隣接する2, 3号車の2両がBUSINESSです。
座席1+2列で、ベージュの革製で、ボックス座席が多く配置されています。
座席のリクライニングは、座面が移動するタイプで、読書灯、テーブル、足掛け、ゴミ箱が設置されています。
EXECUTIVEは基本的に空席ですが、
BUSINESSは混雑時間帯はビジネスマンなどで満席となる場合もあります。
このクラスには携帯電話の通話や会話が禁止されているサイレントエリアが設置されています。
3号車には車椅子スペースが設置されており、3号車の側扉は車椅子の乗降のため幅広のリフトつきのものが設置されており、車椅子利用者のみでも乗降ができる構造となっています。
またトイレは車椅子対応のものになっています。
土曜日を除き、車内ではウェルカムドリンクやスナックのサービスがあります。
▲ BUSINESS
▲ 4人ボックス席
▲ 2人ボックス席
▲ 車椅子スペース
▲ 優先席
PREMIUM
BUSINESSに隣接する4号車の1両がPREMIUMです。
座席2+2列で、グレーの革製で、ボックス座席が多く配置されています。
この車両は座席はSTANDARDで、サービスはBUSINESSと考えていただくと良いです。
なので、土曜日を除きウェルカムドリンクやスナックのサービスがあります。
▲ PREMIUM
▲ 4人ボックス席
STANDARD
PREMIUMに隣接する5, 6, 7, 8号車の4両がSTANDARDです。
座席2+2列で、グレーの革製で、ボックス座席が多く配置されています。
座席でのサービスはありません。
利用者が多く、車両端の荷物置き場もすぐに埋まることが多いです。
なお、ボックス座席間や座席上の荷物置き場も、中型サイズの
スーツケースなら十分置けるので、こちらもご利用ください。
▲ STANDARD
▲ 4人ボックス席
BISTRO
車椅子スペースが設置されている3号車にあります。
車椅子スペースとBISTROの大型荷物を移動させるため、3号車の扉幅は他の車両よりも広く設定されています。
BISTROでは軽食やドリンクなどが販売され、どなたでもご利用いただけます。
カウンターも設置されているので、景色を間近で見ながらドリンクなどを楽しむことができます。
▲ BISTRO
▲ BISTRO
車内設備
最近の車両なので、LCD式の車内案内板が設置されています。
この案内板では時刻、列車番号、走行速度、停車駅、目的地、現在地(地図)などを確認できます。
▲ 4人ボックス席
▲ 2人ボックス席
製造会社はドア付近の銘板で確認することができます。
2015年以前の車両はAnsald Breda社製、2016年以降はHitachi Rail Italy製となっています。
▲ Ansald Breda
▲ Hitachi Rail Italy
各車両に大型の荷物置き場が設けられています。
基本的にすぐに埋まるので、その際は座席間の間や座席上の荷物置き場をご利用ください。
▲ 荷物置き場
▲ 荷物置き場
各座席にゴミ箱が設けられています。
デッキにも大型のゴミ箱が設けられています。
▲ ゴミ箱
▲ ゴミ箱
各座席にはコンセントが設置されています。
▲ コンセント
デッキと客室間はガラス扉で区切られています。
ガラス扉は自動で開きます。
なお、ガラス扉の上にトイレ案内板が設置されています。
緑の場合は使用可、赤の場合は使用中です。
▲ 扉
▲ トイレ案内板
通路上にはLED照明が設置されています。
座席上の荷物置き場は、座席から荷物の有無を確認するためにガラスとなっています。
▲ 扉
▲ トイレ案内板
車外設備
乗降扉は幅900mmのプラグドアで、ドアにはLED式の車外案内板が設置され、
列車番号、号車、行き先、停車駅が確認できます。
乗降には段差があるので、この部分を照らすライトが設置されています。
乗車口は各車両片側1, 2扉です。
▲ 車外案内板
▲ 乗車口
▲ 先頭形状
パンタグラフはシングルアーム式のものが4基搭載され、在来線のDC3000V、
高速新線のAC25kV 50Hzのものがあります。
将来の各国乗入れ時に集電装置を増設できるようスペースが確保されています。
▲ ロゴ
▲ パンタグラフ
ETR 500型よりも赤を中心とした塗装となっています。
▲ 車両
▲ 車両