ミラノ近郊を走行するローマ行き FRECCIAROSSA
目次
形式 | ETR 500型 |
---|---|
製造 | Ansaldo, Breda, Fiat Ferroviaria, ABB Tecnomasio, Firema Trasporti |
運用会社 | イタリア国鉄 |
製造年 | 1992年 (第1世代) 2000年 (第2世代) |
最高速度 | 250 km/h (第1世代) 300 km/h (第2世代) |
電気方式 |
DC : 3000V AC : 25kV 50Hz (第2世代のみ) |
編成重量 | 68 t (機関車) |
編成長 |
20,250mm (機関車) 26,100mm (客車) |
車両高 |
4,000mm (機関車) 3,800mm (客車) |
車両幅 |
3,020m (機関車) 2,845mm (客車) |
製造数 | 90編成 |
現在、FRECCIAROSSAの運用についている車両は
先頭車がE404型機関車でその間に11両の客車を連結している13両編成です。
なお、客車は最大14両まで連結できができます。
これらの車両はAnsaldo社、Breda社、Fiat Ferroviaria社、ABB Tecnomasio 社、Firema Trasporti社のコンソーシアムによって製造されました。
車内の内装には人間工学に基づき、Pininfarina社によって開発されています。
導入経緯 (試験 ~ 運行開始)
1983年に E404型機関車1両と客車を連結した高速列車が計画され、1988年にETR 500-X型として登場しました。
試験走行では直流3000Vで最高速度 321 km/hを達成し、1989年よりローマ - フィレンツェで営業運転を開始した。
導入経緯 (第1世代の登場)
そして、1992年-96年にかけてコンソーシアムにより直流 3000Vにのみ対応するE404型機関車2両と1等車4両、食堂車、2等車6両の13両編成の第1世代 E404型100番台が30編成製造されました。
最高速度 300 km/hの性能は持っていましたが、架線の耐久性に課題があったため250 km/hに制限されました。
そして、2006-08年にかけて第1世代の車両はE414型に改造され、現在はFRECCIABIANCAとして運行されています。
導入経緯 (第2世代の登場)
1996年に高速新線が交流25kV 50Hzとなることが決定し、第2世代のE.404 500番台は直流3000V、交流1.5 kV 16.7Hz、25kV 50Hzに対応する機関車となりました。
そして、2005、06年に開業したローマ - ナポリ、トリノ - ノヴァーラ高速新線の開業に合わせて最高速度 300 km/hの運行が開始されました。
2000-05年にかけて製造され、機関車2両、1等車4両、食堂車、2等車6両の13両編成で登場しました。
その後、2004年にBUSINESS座席が追加され14両編成化されています。
なお、第2世代は以下に分類されます。
・ETR500 P (車両番号 31-60)…機関車、客車ともに新製車両です。
・ETR500 P (車両番号 1-30)…機関車は新製ですが、客車は第1世代のものです。
その後、改造を経て以下の形式が誕生しました。
・ETR 500 F
フランスでの運行を想定し、直流1500Vに対応しています。
機関車2両、1等席3両、食堂車、2等席4両の10両編成です。
フランスのパリ - リールを結ぶLGV北線で01-05年にかけて試験が実施されましたが、
フランスからの許可が下りずフランス乗り入れは実現しませんでした。その後、07-08年にかけてETR P型に改造されています。
・ETR500 Y1
イタリア国鉄の線路などのインフラを管理するRFI向けの車両です。
開業前の高速新線の試験車両として製造されました。
試験車両とわかるように、全体が黄色で塗装されています。
・ETR 500 P
2006年にトリノ - ノバラの高速新線の開業に合わせ、トリノ - ミラノを結ぶ列車として製造されました。
途中のマルペンサ空港駅に停車するため、中間車は8両となっています。
2006年のトリノオリンピックの観客輸送としての機能も担いました。
・ETR 500 AV
Alta Velocitàという新形式として運用を開始するにあたり製造された車両です。
内装や塗装も赤色を中心とした現在のFRECCIAROSSAの原型とも言える車両です。
・ETR 500 FRECCIAROSSA
2008年に導入した新形式です。
FRECCIAROSSAはイタリア語で[赤い矢]という意味で
最高速度 300 ~ 350 km/hの車両に割り当てられる種別です。
この車両は2009年の試験走行では最高速度 360 km/hを達成しています。
写真一覧
下記の路線図の運用に就きます。
区間 | 所要時間 | 運賃 |
---|---|---|
トリノ - ミラノ | 1時間 | EUR 30.00 |
トリノ - フィレンツェ | 3時間 | EUR 70.00 |
トリノ - ローマ | 4時間20分 | EUR 100.00 |
トリノ - ナポリ | 5時間40分 | EUR 110.00 |
ミラノ - フィレンツェ | 1時間40分 | EUR 50.00 |
ミラノ - ローマ | 3時間20分 | EUR 90.00 |
ミラノ - ナポリ | 4時間40分 | EUR 100.00 |
フィレンツェ - ローマ | 1時間40分 | EUR 50.00 |
フィレンツェ - ナポリ | 3時間 | EUR 80.00 |
ローマ - ナポリ | 1時間10分 | EUR 50.00 |
イタリアの新幹線 : FRECCIAROSSA
ローマ - ミラノを高速で結ぶ
チケット、路線、時間、乗車方法
先頭車両の1号車がEXECUTIVEとなっています。
座席は1+1列配置で、非常にゆったりとしています。
ETR 500型のEXECUTIVEは、FRECCIAROSSA 1000型と違い、座席の向きを変えることができません。
この車両にはEXECUTIVE利用者向けの会議室もあり、
インターネットにつなぐことでテレビ会議もできるようになっています。
座席ではウェルカムドリンクや食事が提供されます。
日本でいう新幹線のGran Classと似たようなサービスを提供しています。
EXECUTIVE利用者は列車発車までFRECCIACLUBを利用できます。
この座席と似たものがオーストリア国鉄のRailjetのBUSINESSにも採用されています。
写真一覧
EXEUTIVEのある1号車の一部と2, 3, 4号車と5号車の一部の5両がBUSINESSです。 座席1+2列で、グレーの革製で、ボックス座席が配置されているセミコンパートメントです。 4人ボックス席にはパーティションを設置することで、プライベート感を増やしています。 座席のリクライニングは、座面が移動するタイプで、読書灯、テーブルが設置されています。 EXECUTIVEは基本的に空席ですが、BUSINESSは混雑時間帯はビジネスマンなどで満席となる場合もあります。 なお、1号車のBUSINESSは携帯電話の通話や会話が禁止されているサイレントエリアです。 土曜日を除き、車内ではウェルカムドリンクやスナックのサービスがあります。
写真一覧
6号車の1両がPREMIUMです。 座席2+2列で、グレーの革製で、ボックス座席が配置されています。 この車両は座席はSTANDARDで、サービスはBUSINESSと考えていただくと良いです。 なので、土曜日を除きウェルカムドリンクやスナックのサービスがあります。 座席に関してはSTANDARDが布製であるのに対し、PREMIUMは革製とすることで差別化も図られています。
写真一覧
PREMIUMに隣接する7-11号車の5両がSTANDARDです。 座席2+2列配置のブラウンの布製で、ボックス座席が配置されています。 座席でのサービスはありません。 利用者が多く、車両端の荷物置き場もすぐに埋まることが多いです。 なお、ボックス座席間や座席上の荷物置き場も、中型サイズの スーツケースなら十分置けるので、こちらもご利用ください。
写真一覧
5号車の2/3のスペースに設置されています。 BISTROでは軽食やドリンクなどが販売され、どなたでもご利用いただけます。 簡易座席やテーブルも多数設置されているので、 景色を間近で見ながらドリンクなどを楽しむことができます。
写真一覧
LCD式の車内案内板が設置されています。 この案内板では時刻、列車番号、走行速度、停車駅、目的地、現在地(地図)などを確認できます。 中国人観光客の増加の影響を受け、中国語表記も確認できます。
写真一覧
LED式の車外案内板が設置され列車種別、号車、行き先、停車駅が確認できます。 乗車口は各車両片側1, 2扉です。 ドアは自動では開きません。 扉上の扉開くボタンを押して開けてください。
写真一覧