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イタリアの新幹線 Italo

ETR 575型 : NTV

ミラノ近郊を走行するローマ行き Italo

概要

概要

形式	ETR 575型
製造	Alstom
運用会社	NTV
製造年	2008年
最高速度	300 km/h (将来は360 km/h)
電気方式	DC : 3000V AC : 25kV 50Hz
車両	Bo'+2+2+Bo'+Bo'+2+2+Bo'
編成重量	272 t
車両幅	2,985mm
製造数	25編成

AGV
AGVはAutomotrice à Grande Vitesse（高速鉄道車両）の略語です。フランスの新幹線 TGVの技術を基に、従来の動力集中型ではなく、動力分散型を採用したことが大きな特徴です。

NTV社
2008年に試作車が完成し、2012年にイタリアのNTV社が導入を決定しました。 NTV社はイタリアのオープンアクセス制度にあわせて、国鉄の線路を借りてトリノ - ミラノ - フィレンツェ - ローマ - ナポリで最高速度 300 km/hの営業運転をする私鉄会社で、初導入の車両はこのAGV型です。 NTV社はAGV型の快適性とサービスの高さから、運行開始とともに多くの乗客をイタリア国鉄から奪い、高い収益を維持しています。一方、イタリアのドル箱路線から多くの乗客を奪われたイタリア国鉄はこの状況を危惧し、2013年にAGVと同じく動力分散型のFRECCIAROSSA 1000型を導入して挽回をはかっています。車体色の赤色がイタリアの自動車フェラーリを連想させるので「フェラーリ新幹線」とも呼ばれ、話題となりました。イタリア国内での車両形式はETR575型で、この数字はTGVの世界最高速度記録 574.8km/hにちなんだものになっています。

SNCF (フランス国鉄)
この車両はTGVの発展型として製造されたので、導入会社はまずSNCFになると考えられていました。しかし、1階建ての車両なので、フランスの低いホームからの乗車となるとステップを登る必要性がありました。一方、2階建て車両のTGV Duplexはドアの位置が低いため、乗降時にステップの上り下りは不要でした。 SNCFは、新たに導入する車両が、既存車両よりバリアフリーの点で優れていないことは考えられないとして、結局導入されることはありませんでした。

特徴
TGVと同じく連接台車を採用しているので、各車両長は短いです。（先頭車 : 22,800mm, 中間車 : 17,300mm）電気品は2007年に鉄道走行車両の速度記録を更新したTGV V150編成で使用された永久磁石同期電動機が採用されています。設計上の最高速度は360km/hですが、信号設備の関係で300km/hに抑えられています。これはイタリア国鉄のFRECCIAROSSA 1000型にも同じことが言えます。編成の最高出力は7,500kWとTGVより小さいですが、動力分散型の採用や機器類の軽量化で、出力重量比は向上しています。また、TGVと比較して1席あたりのエネルギー消費量は30%削減し、動力車がないので編成長に対する乗車人数は20%増加しています。

写真一覧

ミラノ中央駅で発車を待つ Italo
ローマテルミ二駅に到着した Italo
ローマテルミ二駅で発車を待つナポリ行き Italo
FRECCIAROSSAと並ぶ Italo

運用

下記の路線に投入されています。

区間	所要時間	運賃
ミラノ - ローマ	3時間30分	EUR 80.00
ミラノ - フィレンツェ	1時間50分	EUR 50.00
ミラノ - ナポリ	4時間50分	EUR 90.00
ミラノ - ナポリ	1時間30分	EUR 40.00
トリノ - ローマ	4時間10分	EUR 90.00
トリノ - ナポリ	6時間	EUR 110.00

フェラーリ新幹線 : Italo
主要都市を300 km/hで結ぶ
チケット、路線、時間、乗車方法

Club

先頭車両1号車に設置され、座席数は19席で、オープンサロン 11席、コンパートメント8席からなります。オープンサロンは1+2列配置で、コンパートメントは4人ボックス席が2箇所設けられています。座席の向きは変えられません。車内にはWifi、新聞などのサービスに加え、座席でのウェルカムドリンクやスナック菓子が提供されます。座席にはコンセントや足掛け、ゴミ箱が設置されています。 Club利用者は列車発車までItalo Clubを利用できます。

写真一覧

Club
4人ボックス席
2人ボックス席
コンパートメント
コンパートメント
コンパートメント

Prima

2, 3号車に設置され、オープンサロンタイプの2+2列配置です。座席はClubとほとんど同じものが使用されています。ただし、乗車前のItalo Clubを利用はできません。車内にはWifi、新聞などのサービスに加え、座席でのウェルカムドリンクやスナック菓子が提供されます。座席にはコンセントや足掛け、ゴミ箱が設置されています。 Club利用者は列車発車までItalo Clubを利用できます。

写真一覧

Prima
4人ボックス席
2人ボックス席
Prima
ゴミ箱・足掛け

Comfort

4, 5号車に設置され、Primaの座席とほとんど同じですが、新聞や座席でのドリンク、スナック菓子んのサービスはありません。車内でのWifiに加え、座席にはコンセントや足掛け、ゴミ箱が設置されています。

写真一覧

Comfort
4人ボックス席
2人ボックス席

Smart

Comfortに隣接する6-10号車の5両がSmart、11号車がSmart Cinemaです。座席2+2列で、グレーの革製です。座席でのサービスはありません。なお、SmartとSmart Cinemaの座席は同じですが、Smart Cinemaでは車内案内板に映画が流され、イヤホンを通して映画を楽しむことができます。利用者が多く、車両端の荷物置き場もすぐに埋まることが多いです。